陸上女子100メートル障害予選5組で札幌市出身の寺田明日香(31=ジャパンクリエイト)が12秒95で5着となり、タイムで00年シドニー大会の金沢イボンヌ以来2人目となる準決勝に進出した。

   ◇   ◇   ◇

レースを終えた直後、寺田が目に涙を浮かべた。「いろんな方に支えていただいて、ここに立っていることがうれしかった。次が大一番になると思うので頑張りたい」。12秒95のタイムで結果は5着。自動的に準決勝に進める4着以内は逃したが、5着以下のタイム順で拾われ、日本勢でただ1人予選を通過した。同種目では日本勢21年ぶりの準決勝進出を成し遂げた。

鋭いスタートから序盤は上位で争い、中盤からは格上の海外勢を追う展開となった。「冷静には走れたんですけど、ちょっと浮いてしまう場面もあった」と振り返り、「そこを準決勝で修正できればいい」と冷静に次のレースを見据えた。

苦労を重ねてスタートラインに立った。08年から日本選手権で3連覇も、23歳の時に1度競技を引退。その後、結婚し14年に長女を出産、7人制ラグビーに転向もした。5年のブランクがありながら陸上復帰した19年に日本女子で初めて12秒台をマーク。日本記録を3度更新し、育児と競技を両立して五輪舞台をつかんだ。

1日の準決勝に臨む。「目標は決勝に残ることなので、ここからかなりギアを上げないといけない。準決勝では12秒6、7台を目指していけるように」。31歳の挑戦は続く。