世界ランキング2位の永原和可那(25)、松本麻佑(25=北都銀行)が、14-21、21-14、26-28で同5位の韓国ペアに敗れた。

最終ゲーム20-18から同点に追い付かれた。その後何度もマッチポイントを握るも、強気に打ち込んでくる韓国ペアに、あと1点が遠かった。永原は「ここで1点取るために苦労してここまでやってきたのに、自分たちの強さを出せなかった」。最後も相手の強打を返せず、終戦。ぼうぜんとする松本と、顔を覆って号泣する永原。期待されながら臨んだ初めての五輪はメダルにすら届かずに終わった。松本は「強気な攻めに押されてしまった。最後は自分の気持ちが引いてしまった」と肩を落とした。

2人は中学生まで北海道でしのぎを削ってきた。中3での全道大会は松本1位、永原2位。しっかり者の永原は、厳しい練習を求めて青森山田へ。のんびり屋さんの松本は自由なスタイルで技術を伸ばす地元のとわの森三愛へ。そんな2人が社会人になり北都銀行で再会し、ペアを組んだ。永原は「偶然が重なって今の自分たちがいる。北海道に愛があるからこそ生まれたと思う」と話す。

ペア結成当初は、お互いの心がすれ違った。会話もしない時期もあった。17年9月のジャパンオープン後、秋田に戻り、2人だけで話をした。体育館で床に座って約1時間。松本は「1回そういう機会を設けた方がいいかと」。永原も「何を考えているのか分からなかった。覚悟決めてやらないといけないなと」。

「金メダル」という同じ思いを再確認した2人は、その後世界選手権を連覇。世界1位にも輝いた。目標が「出場」から「頂点」に変わった。周囲の期待も背負い、味わったことのないプレッシャーも感じたが、8年間培ってきたものをコート上で表現した。今後については多くを語らなかったが、2人とも「恩返しをしたい」と同じ言葉を発した。まだやるべきことがあると感じている2人。新たな目標を立て、再スタートを切る。【松熊洋介】