ソフトボールの日本代表が20日、福島・あづま球場で練習を公開し、主将を務める山田恵里外野手(37)が21日の開幕に向けて決意を語った。

最後の練習を終えた山田は「人工芝に変わってからは1度もやったことがなかったが、打席から見た感じもすごいきれいで気持ち良かったし、守りやすかった」。あづま球場では本塁打を放ったこともあり「相性がいい」と笑顔を見せた。

連覇に向けて約1週間の戦いがいよいよスタートする。福島会場は直前で無観客が決定。「直接見てほしかったっていう思いは正直あるが、いい結果を出して喜んでもらいたい。賛否両論がある中での開催というのもあるし、正直複雑な気持ち。まだぜんぜん実感がなくて…。本当にこれが五輪なのかっていう感じ。どういう気持ちになるのかも分からない」と正直な気持ちも吐露した。

復興五輪として行われる今大会で、日本の先陣を切って登場するソフトジャパン。「この地でソフトボールをするっていうことに意味がある」と語った。主将として先頭に立つ山田は、これまでことあるごとに「ソフトボールができていることが幸せ」と口にしてきた。11年の東日本大震災後、被災地で教室などを行い、さらにその気持ちが強くなった。「毎日を一生懸命生きないといけないなって感じさせられた」。

08年北京五輪で金メダルを取ってから13年。「モチベーションがなくなって、自分もソフトボールを辞めようと思った時もあった」。目標がなくなり、引退する選手もいる中、選手としてグラウンドに立ち続けた。「何かを伝えたいという思いをもちながら、ずっと続けてきた。それを明日からの試合で出せる場がある」。初戦で勝利をつかみ、日本選手団に勢いを付ける。【松熊洋介】