イケメン侍が金メダルロードに乗る。侍ジャパン森下暢仁投手(23)が1次ラウンド第2戦となるメキシコ戦に先発する。舞台は20年6月にプロデビュー登板した横浜スタジアム。同10月24日にはプロ初完封し、2試合16イニングで防御率0・00を誇る。勝てば無条件でA組1位通過が決定。連勝街道を進めば、中6日で8月7日決勝戦の先発マウンドも見えてくる。

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森下がサヨナラ勝ちの「ミラクル・ウエーブ」に乗る。土壇場の9回に2点差をひっくり返したドミニカ共和国戦の勢いを横浜スタジアムで加速させる。横須賀市内のDeNA2軍施設「DOCK」で最終調整。「チームとしても乗っているところなので、その勢いに乗っていけるように自分もやっていきたいなと思います」とメキシコ戦を見据えた。

横浜スタジアムは“無敵”を誇る。プロ入り後、16イニング無失点と相性のいいマウンドが最大の“ホームアドバンテージ”となる。「打球が上がると怖いなという印象はありますが、怖がらず、内角も外角もしっかりとした球を投げていけたらなと思います」。両翼94・2メートル、中堅117・7メートルのコンパクトな球場でも恐れることはない。

他競技の日本選手団の活躍がアドレナリンをかき立てる。「ソフトボールもそうですし、卓球も見ていたので、やっぱり金メダルっていうのはいいなと思いました」。28日のソフトボール、27日の卓球混合ダブルスの快挙に未来像を重ね合わせた。この日は、平常心を保ちつつ「対戦相手の映像などを見ていると、ちょっと緊張感というか、とうとう明日だなという感じはあります」と表情が引き締まった。

連勝で勝ち進めば、8月7日の決勝戦まで中6日。大役を任される可能性も十分にある。真夏の横浜で目いっぱい、腕を振る。【為田聡史】