東京オリンピック(五輪)で金メダルを獲得した中日大野雄大投手(32)が10日、1軍に再合流した。試合前練習の開始前には、投手陣に五輪の優勝を報告。その後はアップ、キャッチボール、遠投などで調整した。凱旋した大野雄の一問一答は以下の通り。

-金メダルを手にした気持ちは

「1つの夢がかなった。僕自身は1試合のみの登板だったけど、毎日ブルペンでみんなと一緒に戦っていたつもり。胸張って俺も一員やったと言えると思っている」

-アメリカ戦では1点ビハインドで登板し、サヨナラ勝利を呼び込んだ

「あの試合は初回からブルペンに入っていて、早い回に機会があれば行くって感じやった。まさか9回にマウンドに上がるとは思ってなかった。タイブレークもあるって言われてたので、気持ちは切らさずにずっと準備していた。9回にマウンド上がり、しっかりと1イニング抑えて、チームが勝ったので良かった」

-野球人生の中でも特別なものになった

「そうですね。国際大会というのは何度か選んでいただいたが、五輪は初。東京で、日本であるっていうことですごい重みがあって、1試合でも爪痕を残せてよかった」

-メダルの重みは

「全員が毎日とんでもない重圧の中、代表合宿が始まってからの3週間だった。五輪で野球があると決まってからの月日はすごく長いものがあったが、それも全てが報われた。結果が全ての世界で、1番を取れたので全員が喜んでいた」

-投手陣にも練習前に報告をしていた

「普段は先発投手として投げているものとして、中継ぎ待機が多かった大会だった。1イニングでも1アウトでも取ってくれたら中継ぎ投手って助かるんやなと実感したというのを伝えた。シーズン後半戦は1つのアウトでも多く取るように頑張りますと伝えた」

-表彰式ではメダルを天に掲げた

「残留練習中に木下(雄介投手)に会ったとき『金メダルみせてくださいね』という話をしてた。ほんまささいな会話で。木下だけじゃなくいろんな選手ともそういう会話していた。(木下投手は)その中の1人だったが、こういうことになってしまった。一番に報告してやりたいなと思ってたんで、喜んでくれていると思うし、それができて良かった」

-後半戦に向けて

「先発をしてきたわけじゃないし、登板も1試合だけだったので、体は問題ない。肩肘も元気なんで、しっかりと投げられるように準備していきます。五輪はもう閉会もして一区切りなので、これからはドラゴンズの選手の1人として、チームの順位を1つでも上げて、勝利に貢献するのが僕の仕事なんで、後半バリバリ働きたい」

▼中日大野雄の東京五輪での登板 2日、決勝トーナメントの準々決勝米国戦。先発田中将(楽天)が4回途中3失点で降板し、3番手青柳(阪神)も3失点し、5-6と1点ビハインドの9回に6番手で登板。先頭打者に死球を与えたが、3番オースティン(DeNA)を投ゴロ併殺打、4番カサスも三振。無失点で切り抜け、その裏の同点、延長10回のサヨナラ勝利につなげた。登板はこの1試合だけだった。