開催国枠で45年ぶり出場するバスケットボールの日本男子は、黒星スタートとなった。

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第2クオーター途中に26-26と追い付いたものの、そこからの約5分間で一気に20点差をつけられた。あの時間帯に、スペインと日本の実力差がはっきりと表れていた。相手の攻撃の軸となったのは、NBAで活躍する司令塔のルビオ。ラストパスを通したかと思えば自ら得点を挙げるなど、チームとして連動性のある攻撃を繰り出す起点となっていた。一方で日本は、あの時間帯にチームを踏ん張らせ、立て直すことができるポイントガードがいなかった。今後の課題であり、伸びしろでもある。

八村は相手に研究されていた。そうした中でも印象的なダンクを複数決めるなど20得点を挙げたが、エースとして「ファーストオプション」を任される立場を考えると、あと10得点は上積みが欲しい。

06年に日本開催で行われた世界選手権でもスペインと対戦したが、そのときは55-104と試合にならなかった。あれから15年がたち、日本のバスケは着実に進歩している。この日もリードを広げられたあとに諦めず、10点差まで詰め寄った。今大会で目標とする「1勝」に向けて、可能性を感じさせる試合でもあった。(バスケットボールコメンテーター)