日本(世界ランク10位)が、輝かしい銀メダルを手にした。米国(同1位)に75-90で敗れはしたが、76年モントリオール五輪の5位を上回り、男女を通じて初のメダルを獲得した。

   ◇   ◇   ◇

【萩原美樹子の目】

大きくて身体能力の高い米国にゴール下でブロックされるのは想定内だった。それでも12本もブロックされたのは、直前に身長の高いチームとの対戦がなかったことが大きく、試合勘が追い付かなかった。ベルギーやフランス戦では打てていたシュートも止められてしまう。このようなチームに勝つには、ドリブルからシュートを打つまでの技術や、男子の富樫がやるような、ブロックの上を浮かすフローターのシュートのスキルを上げる必要がある。

他国よりも練習してきた3点シュートが準決勝まで成功率40%以上と精度が高く、特に決勝では林は米国が本気で止めに来ていた。

ディフェンスでは敵陣からプレッシャーをかけ、ターンオーバーを狙う動きが良かった。小さいチームの常とう手段ではあるが、世界に通用した。3位フランスに2勝したのは確実に地力がついている。ホーバス監督は厳しいが、日本の文化になじみがあって、選手に嫌われるのをいとわない。彼の信念の強さや勝負に対する執着心は我々コーチも学ぶべきものがある。(女子Wリーグ・東京羽田ヴィッキーズヘッドコーチ、96年アトランタ五輪代表)