女子フライ級で18年世界選手権銅メダルの並木月海(22=自衛隊)は、銅メダルとなった。準決勝でクラステバ(ブルガリア)と対戦。サウスポー同士の試合で、リーチが劣る並木は素早い足さばきでチャンスをうかがったが、クリーンヒットが少なかった。相手のカウンター戦術を崩せず、判定0-5で敗れた。3位決定戦がないために、並木の銅メダルが確定した。

1つの負けが飛躍のきっかけだった。高校時代は無敗。社会人1年目、自衛隊に入隊して甘さを知った。14年10月、国体の決勝で14年世界選手権ライトフライ級銅メダルの和田まどかに敗れた。「負けを経験して、しっかり考えるようになった」。与えられたメニューをこなしていた高校時代からの脱却。敗北のショックに「辞めようかな」とまで考える中で、続ける意義をきちんと考えた。「目標を高く持ちたい」。初めて東京五輪に出たい、そこで勝ちたいと本気で思えた。「食事もケアも考えるようになった」と振り返る。

3日には後輩のフェザー級入江聖奈が女子初、日本人3人目の金メダリストとなった。高校時代から対戦経験もあり、この1年は合宿でも長く共同生活を送ってきた仲間。試合前には入江は「憧れのボクサーです。高校で1回負けている。強さを知っている。勝ってくれると信じている。一緒に金メダルで写真を撮れたら最高です」とエールを送っていた。

同じ決勝の舞台を目指したが、届かなかった。

◆並木月海(なみき・つきみ)1998年(平10)9月17日、千葉県成田市生まれ。4人きょうだいの末っ子で、姉と兄2人の影響で幼稚園の年中から空手を始める。中学入学時に「普通の女の子として過ごしたい」と格闘技から離れたが、「飽きてしまった」と1年後にボクシングを開始。花咲徳栄高から自衛隊に進み、18年世界選手権銅など。右利きのサウスポー。153センチ