足立和也(30=ヤマネ鉄工建設)は準決勝で101・60点の16位となり、上位10位までの決勝に進めなかった。

本場欧州に移って研さんを積むトップ選手が珍しくない中で、山口県萩市など国内で練習を重ねてきた。強化費を捻出するために賄い付きのアルバイトを行い、練習場近くの山奥にある家賃6000円の長屋で節約生活を行った時期もある。「国内からでも世界のトップを目指せることを証明したい」と、市場大樹コーチとの二人三脚で技術向上に励み、ワールドカップで2度の3位を経験するなど実力をつけてきた。

欧州製の艇が一般的な中で、レーシングカーの開発を行うムーンクラフト社(静岡県御殿場市)の全面協力を得て、国産艇で臨んだ晴れ舞台。「1ミリ単位の細かい要望にも対応していただいている。最高のボートを用意してもらっているので、結果で応えないと」と意気込み、予選24人中6位で通過して可能性を感じさせたが、残念ながら準決勝で姿を消した。