東京オリンピック(五輪)のフェンシング男子エペ団体で、同競技では日本初となる金メダルを獲得した見延和靖(34)が10日、所属するネクサスの本社(群馬県高崎市)で報奨金1億円を贈られた。報告会に出席し、星野敏代表(60)から目録を手渡された。

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男子エペ団体の後輩メンバーも夢が膨らむ。見延と同じグランプリ制覇実績を持つ山田優(27)は、東京五輪の日本代表21人に最速で内定したエース。所属する自衛隊体育学校ではメダル獲得後に特別昇進することが多い。自衛隊関係者によると「(山田は)2等陸尉に昇格したばかり」といい流動的だが、今月3日の閣議後会見では岸防衛相が山田ら所属選手を祝福。今後、議論が生まれそうだ。

宇山賢(29)は退村後に三菱電機を訪問し、ねぎらわれた。今大会はリザーブ登録から初戦の米国戦で見延に代わって途中出場。190センチの長身を生かして形勢逆転し、決勝まで貢献した。五輪を機に、大ファンのロックバンドRADWIMPSの野田洋次郎とつながる夢を実現させている。

最年少のアンカー加納虹輝(23)も新型コロナ禍の中で業績が悪化している日本航空から変わらぬ支援を受け、感謝を胸に戦った。

太田氏はツイッターで「報奨金だけでなく長年フェンシング界を支えてくださった」と星野代表に感謝。日本協会の武井壮新会長も「フェンシング界にも夢が生まれ始めております」とつぶやき、金メダル×1億円の波及効果に期待した。