稲見萌寧(22)が9バーディー、3ボギーの65と6つ伸ばし、通算16アンダー、268で2位となり、同スコアで並んだ16年リオデジャネイロ五輪銀メダルのリディア・コ(ニュージーランド)とのプレーオフを制して銀メダルを獲得した。

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ゴルフ場では強気な表情で結果を出し続けるが、普段の稲見は天真らんまんで明るい普通の女の子だ。人当たりも良く、中学時から行きつけの千葉市内のすし店では、業務を手伝ってすしや飲み物を運んだり、仕込みを手伝うこともあるという。同店の男性店主は「同世代のうちの息子らと話す時間がいい息抜きになっているみたい。クールな印象があるかもしれないけど、楽しい子ですよ。いつもにこにこしていて、人一倍しゃべるのが好きですね。あと、実はすごく歌がうまい。萌寧は鼻歌だけでも名人レベルですよ」。常連客らとは顔なじみで、相談に乗ることもある。稲見も「(手伝いは)楽しいです。私の憩いの場で、第2の家です」と笑顔で話す。

練習後の夜は録画したドラマを見たり、スキンケアにハマるなど、今どきの若者らしい一面もある。人なつっこい性格は大人にもウケるようで、父の了さんは「私よりも年上の知り合いに会わせた時も、すぐに仲良くなってタメ口で話しても許されていて驚きました。そういう方面でも、天性の才能がある」と証言する。昔から稲見は一学年上の98年度生まれの黄金世代の選手らと行動を共にすることが多い一方、練習では年下の男子選手らとも切磋琢磨(せっさたくま)する。ある幼なじみの選手は「年上だけど、そんな感じは全然しない」と話す。そうした環境でもまれたコミュニケーション能力も稲見の魅力の1つだと感じている。【松尾幸之介】

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