ハンドボール男子で東京オリンピック(五輪)の日本代表主将を務めた土井レミイ杏利(31)が4日、代表引退を表明した。自身のツイッターに「この東京オリンピックをもちまして、日本代表活動を引退させていただくことに致しました。大会前から決めていました」と報告した。開催国枠で8大会ぶりに五輪に出場した日本は、1日のポルトガル戦で31-30で勝利。88年ソウル大会以来33年ぶりに勝ったが、準々決勝に進めずに1次リーグ敗退が決まっていた。

代表引退を決めるにあたり、さまざまな葛藤があったという。自身のSNSに「僕は本来、弱い人間です。今大会も何度もプレッシャーに押しつぶされそうになりました。部屋でただ1人震えていました。逃げたくなりました」と当時の心境を吐露。しかし「でもキャプテンの弱さはチームに伝染します。皆に弱い姿を見せる訳にはいきません。いつも皆がいてくれたからこそ強くいたいと思えたという事であり、自分なりに強くあることが出来たんだなと気付きました」などと記すなど、強い責任感を持って臨んでいた。

土井は今季から日本リーグのジークスター東京に所属。チームとは複数年契約を結んでいる。動画投稿アプリ・TikTokでは「レミたん」の名で240万人以上のフォロワーを持ち、ハンドボールの知名度を高めてきた。日の丸を背負うのは今大会で最後だが、これからもハンドボール界の未来を背負って戦う。