柔道女子63キロ級の田代未来(27=コマツ)は2回戦で敗退した。悲劇は再び起きた。たった2試合の計5分52秒で2度目の夢舞台が終わった。「もっと五輪で試合がしたかった…」。試合後、止まらない涙をぬぐい言葉を振り絞った。

格下のオズドボンブワフとの2回戦。1分52秒、小内巻き込みで畳に沈み一本負け。5位だった16年リオデジャネイロ五輪のリベンジを果たす日であったが「この結果をみて今まで何をしてたんだという気持ち」と声を震わせ、自身を一喝した。

リオ五輪後の16年11月には左手首を手術。稽古から長期間離れたことで再び、「柔道をやりたい」という原点に立ち返った。お家芸ならではの金メダル絶対主義で、5年前はメダルを獲得できず「非国民」という感覚すら味わった。精神面の成長とともにけがを乗り越えて臨んだ最高峰の舞台だったが、再び悔し涙で終わった。