東京オリンピック(五輪)柔道男子73キロ級金メダルの大野将平(29=旭化成)が1日、全日本柔道連盟の規定により9月に退任する井上康生監督(43)への思いを語った。

都内で行われた五輪メダリスト会見に出席。2連覇の偉業を達成した29歳は、金メダルと銀メダルを首に下げて現在の複雑な心境を吐露した。

「昨日の男女混合団体で、井上監督体制が最後となった。(2位の団体で)負けて悔しい気持ち。井上体制が終わるさみしさや切なさ。個人2連覇を達成した安心感と、複雑な気持ち入り交じっている。私の柔道人生は井上監督とともにあったなと感じている。初めて見た五輪は00年シドニー。初めて代表になったのも(井上監督就任後の)13年から。監督のもとリオ、東京と2大会で連覇を達成できた。これは柔道人生の一番の誇りになっている。最後、監督を男にできなかったくやしさはあるが、それを笑顔で受け入れてくれる。そして『胸をはって表彰式に行ってこい』と言ってくれる度量、優しさを改めて感じる機会になった」

個人3連覇を狙える23年パリ五輪については「3年後とか考えられる年でもない。実際、体もボロボロ。ゆっくり、自分自身と相談して考えたい」と話した。【峯岸佑樹】