東京五輪開幕まであと10日と迫った13日、国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長(67)が東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長と都内で面会した。

バッハ氏は8日に来日。3日間の隔離期間終了後、初めて公の場に姿を見せた。面会が行われた組織委のオフィス周辺では、警察官や警備員らがバッハ氏ら一行を厳重警護。一体は物々しい雰囲気に包まれた。

バッハ氏は「ここまで準備が整った大会はない」と準備状況を絶賛。「ステージは整った。あとはベストなパフォーマンスをするだけ。組織委の皆さん、ガンバリマショウ」と、日本語を交えて橋本氏らを激励した。

一方、ハプニングも発生した。バッハ氏は万人に安心安全な大会を目指すと強調した際「万人とは、アスリートであり、各国選手団であり、最も大事なのはチャイニーズ・ピープル(中国国民)」と言いかけてすぐに「ジャパニーズ・ピープル(日本国民)の安全です」とあわてて訂正した。

緊急事態宣言発令中でも特別扱いで開催される東京五輪に、違和感を覚える日本国民は多い。単なる言い間違いとはいえ、五輪への逆風を強めかねない失態だった。今後は14日に菅義偉首相と面会、16日に広島市内の平和記念公園を訪問する。【近藤由美子】