東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)と武藤敏郎事務総長(78)が17日、過去のいじめ告白について謝罪した五輪開閉会式の音楽担当者、小山田圭吾氏(52)の留任を明言した。

小山田氏は90年代に受けた雑誌のインタビューで、障がい者ら複数クラスメートへのいじめを告白。それから二十数年間、謝罪をしてこなかった中で3日前に開閉会式への参画が発表されると、東京大会のコンセプトの1つが「多様性と調和」ということもあり、SNSやインターネット上で「ふさわしくない」「開会式を見たくない」と炎上する騒ぎに発展した。そして前日16日、本人が謝罪文を投稿していた。

この件について、謝罪してもなお不快に思っている国民への説明や、事前にいじめ告白を把握していなかった、という組織委の対応について状況確認を求められると、武藤事務総長が壇上で応対した。

「小山田さんが謝罪をされて、私どもも十分理解しました。彼は今、現時点において十分謝罪をして、反省をして、倫理観を持って行動したいと言っておられます。当初、そういうことを知らなかったことは事実ではありますけれども、現時点においては、小山田さんの弁明というものをおうかがいして、引き続き、この(開幕直前という)タイミングでありますので、彼には支えていただきたい、貢献していただきたいと考えています」

この日の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で日本側の準備状況を報告した後、メインプレスセンター(MPC)で開かれた会見で、こう明言した。

小山田氏は前夜、別名義で活動するコーネリアスのツイッターや公式サイトで「私の関与により、開会式へ不快な印象を与えてしまうことを心から申し訳なく思います」と謝罪。当時「反省することなく語っていたことは事実であり、非難されることは当然」と認めた上で、自身の起用に対する批判には「依頼を辞退すべきだったのかもしれません。しかし(制作陣に対して)自分の音楽が何か少しでもお力になれるのであれば」と受諾し「努力していきたい」とつづっていた。【木下淳】