国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が21日、都内での第138次総会後、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックのメインプレスセンター(MPC)で会見し、大会の安全を「他者の言葉」を借りて約束した。

新型コロナウイルス感染症の再拡大を懸念し、開催に反対する国民への説明とメッセージを求められると「WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が『日本の対策は素晴らしい』と評価していた。国際的な専門家は彼だ。保健の世界で最も高い地位にいて、コロナ対策に責任を持つ機関の長は彼。彼以上の存在はないし、それ以上、言うことはない」と突き返した。

テドロス氏はこの日のIOC総会で講演し、東京五輪開催を全面的に支持していた。

また、2日後の23日に迫った開会式に出席した時の気持ちを問われると「私は予言者ではないので」と笑いつつ「大変な喜びが待っているはずだ。私も開会式に期待して待っている。喜びと安堵(あんど)感がある。今まで、どのくらいアスリートが期待してきたか。彼らがプレーする舞台を提供できてホッとした」と大会延期からの準備に納得した。

そして「ここまでの道のりは容易ではなかったが(母国)ドイツのことわざでは、こういう安心感がある時には『心臓から石が落ちる』と言います。うまく英訳できるかは分かりませんが、そういうこと。23日の開会式で私が何か感じるとすれば、それは『心臓から石が落ちる』。それでは開会式で会いましょう」と言って会見を締めくくった。【木下淳】