東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委委員会は28日、五輪開会式(23日、国立)で約4000食分のフードロスがあったことを明らかにした。

運営スタッフやボランティア向けで、組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「最も数が多かったのが開会式で4000の食品ロスがあった。事業委託の関係で公表しづらいが、ほかの(競技)会場も含めて先週まで2~3割の余剰が生じていた」と報告した。

続けて「多くの食品ロスが生じていたことは事実です。おわびを申し上げたいと思います」と陳謝した。

理由については「需要予測に対して消費し切れなかった。開会式はスタッフが多いので発注量が多く、当日のシフトの関係もあり誤差が生じた」と説明した。発注したのは式の3日前の20日で、約1万食分。無観客開催が決まった後だったため「観客の数とは関係ない。単純に過剰発注で食品ロスが生じていた。実際は食べなかったスタッフの方が多かった。当日の業務が忙しく食事を取れなかったり、事前に食事してから仕事を始めた方もいらっしゃった、と想像できる。一方で食事を用意する側としては不足することが怖い。その兼ね合いで過発注になってしまった」と補足した。

一部からは「寄付すればいい」との声も出ているというが「時節柄(夏で食品の劣化が懸念され)難しい」と否定。「発注量の適正化に努めているところで、今週に入ってから措置が取られている。今回を学びに改善していく。また、廃棄したわけではなく、余剰分は飼料へのリサイクルやバイオガス化していることを伝えたい」とも強調した。

用意されたものには、弁当、おにぎり、パンなどあるが、約4000食分の1食とは1人分の1食相当。今回の禍発注による損失の額は、委託契約の関係等で公表されない。東京大会はサステナビリティ(持続可能)に配慮した調達などを目指している。【木下淳】