東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が五輪最終日の8日、都内のメインプレスセンター(MPC)で大会総括会見を開いた。

13年の招致決定から8年間の準備をへて、無観客になった大会を振り返った橋本会長は「映像を通じて、つながることができた。無観客だからこそ、何ができるか。新たな価値が生み出されたと思っている」とし「直接的な対話ではなくリモートで行われたが、今まで以上に綿密な計画を立てられた。東京五輪がレガシーとなって、今後に残っていくのではないか」と述べた。

選手に舞台を用意したこと、無観客だった大会の評価については「最高の舞台を作り上げるんだということでやってきた。先ほどIOC(国際オリンピック委員会)総会でスタンディング・オベーションをいただいたが、大会成功に尽力いただいたスタッフやボランティアの方々への称賛だったと思う。コロナ禍という非常に困難な中、どう開催するのか注目された大会だった。全てが完全だったかというと、そうではないと思うが、全体的に評価をいただいたのではないか。検証いただき、我々も検証する」と報告した。

延期については「昨年であれば出場できた選手、延期になったから出られた選手、それぞれの思いがあった東京大会。それぞれの大会に臨むことができた、できなかった、その思いを1つにする絆がスポーツ界は持つことができた」。リオ五輪で選手団の団長を務めた経験も振り返り「自国開催で結果を求められる重圧を感じたアスリートは、今後の人生において重要な経験となったのではないか」と話した。【木下淳】