サッカー女子日本「なでしこジャパン」のMF杉田妃和(ひな、24=INAC神戸)が、東京五輪の切り札になる。

22日、引き分けたカナダ戦から一夜明けて札幌市内で約1時間の調整。前日の先発とFW田中以外の10人が参加した練習で、中2日で迎える24日の英国戦に向けゴール前の連係を高めた。杉田は高倉監督の前でアピールを続け「スタート、ベンチ、周りのサポートと、みんなが同じ方向を向いて戦うのが大事」と誓った。

福岡で生まれ育ち、中学まで男子に交じってプレーした。1学年20人程度のチームで女子は1人。中3になるとパワーやスピードで差がついたが「女子だから男子に負けるのは嫌だった」と食らいついた。今につながる予測、ボールの持ち方、駆け引きを磨いた。藤枝順心高(静岡)からINAC神戸に進み、16年のU-20(20歳以下)W杯でMVPを獲得。カナダ戦は後半31分にボランチで投入され、中盤でリズムを作った。得点力も兼ね備え「動きの中に関わっていけた」と五輪初戦で自信を深めた。

次戦はイングランドとして19年W杯4位の実績を持つ英国。2年前の1次リーグではフル出場し、0-2で敗れた。厳しい戦いが続くが「(カナダ戦で)勝ち点1を取れ、前向きに戦っていける」。日本の切り札は準備万全だ。【松本航】