日本唯一の本格的ウェイブプール「静波サーフスタジアム」が12日、東京オリンピック(五輪)サーフィン日本代表選手の練習で公開された。

静岡・牧之原市に誕生した同スタジアムは150メートル×60メートルの巨大プールに最新の造波装置を有するもの。大原洋人(24)ら代表3選手が、安定した人工波で五輪本番に向けて調製練習をした。

同市が「ウェイブプール構想」をぶち上げたのは、サーフィンの東京五輪正式採用が決まる前の16年3月だった。五輪会場誘致を目指したが、会場決定には間に合わず。その後は「事前キャンプ」の誘致に切り替えて、構想を進めてきた。

新型コロナの影響で工事は大幅に遅れ、今年1月にプールが完成。造波装置の調製をする米国の技術者が来日できずに開業が遅れていたが、何とか五輪前に本格稼働した。この日は、15日のプレオープンを前にして、日本代表が「人工波の試し乗り」をした。

16日から20日には、サーフィンの本場米国の代表チームが事前キャンプを行う。米テキサス州にある同国の公式練習場と同じメーカーのプールで、金メダル候補の4人が練習する。米国以外からも事前キャンプの問い合わせはあったが、感染症対策で受け入れは米国だけに限られた。8月以降にはグランドオープンが予定され、その後は一般営業もスタートする。

かつては宮崎シーガイアなど国内にも大型ウェイブプールはあったが、すべて閉鎖。現時点では国内唯一の本格的施設になる。天候や波の状態に左右されずに安定した波に乗れるのがウェイブプールの強み。日本サーフィン連盟の宗像富次郎副理事長は「こういう施設ができたのは大きい。ジュニアの強化などにも使えますね」と話していた。