東京オリンピック(五輪)サーフィン代表「波乗りジャパン」の4人が20日、大会会場の千葉・釣ケ崎海岸で公式練習を行った。男子の五十嵐カノア(23=木下グループ)は25日から始まる試合に向けた準備を本格化させ、早くも臨戦態勢に突入している。

早朝約2時間の練習を終えた、五十嵐の顔から充実の表情が浮かんだ。会場の様子を初めて見た感想は「テンション上がった」。肝心の波のコンディションはまだまだ小さいようだが、試合に臨む上での準備は着々と進んでいる。

持参した12本の板のうち試合で使う2本が決まった。これからは五輪本番を想定したリズムを体に染みこませるため、食事や起床時間を一定にするようルーティン化を図っている。「明日の朝は試合がない中でも、もうちゃんとあるように想像して準備をしたい」と話した。

16年に世界最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)にアジア勢として初参戦し、翌年に日本代表として五輪を目指すと宣言。「4年前から毎日、何をやればオリンピックで金メダルを取れるかと考えてきました」と振り返るように、朝起きてから夜寝るまでの時間を目標達成に向けた準備に費やした。

念願の舞台で目標をかなえた先には、大きな夢がある。競技は違えど米国で活躍するメジャーリーグの大谷翔平(エンゼルス)やNBAの八村塁(ウィザーズ)ら他の日本人選手。彼らの活躍に刺激を受けながら、五輪を機に肩を並べる存在になりたいと意欲を見せる。

五十嵐は「大谷選手のファンになって野球を好きになる人がいるように、カノアのファンになってサーフィンを好きになる人が増えたらうれしい」。海をこよなく愛する23歳が、五輪の舞台でさらなる飛躍を目指す。【平山連】