19年世界選手権5位の三上紗也可(20=米子DC)が、3本目で痛恨の失敗を犯した。2本目まで132・70点で4位につけていた。出場18人の中で12位に入れば、8月1日の決勝に進出だった。しかしこの失敗が響いて273・70点の16位で準決勝敗退となった。

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三上さんは、3本目の踏み切りがすべてでした。直前のジャンプでバランスを崩し、右足が板の外に出たことでしっかりと踏み切れませんでした。普通なら飛び込めず、そのまま演技をやめても仕方ない状態でした。

減点を受け入れてやり直してもよかったけれど、飛び出しました。板が踏めていないから回転に勢いがつかない。結局、回転が足りずに失敗になってしまいました。その後立ち直っていい飛び込みをしていたし、1、2本目もよかったから余計に残念です。もちろん、3本目が予選の時のように飛べていれば、決勝進出は間違いなかったでしょうが。

板には「相性」みたいなものがあって、合う選手と合わない選手がいます。今大会の板は合わない選手が多いようですね。準決勝でもジャンプが合わずに飛び込んだだけの選手がいました。板にくせがあるのか、バランスを崩している選手はいますね。

板に合わせて安定して飛ぶには、体幹の強さやジャンプを修正する技術が必要です。ただ、これがなかなか難しい。遠慮していては強く踏み込めないし、強く踏むとはね返される。板を「手なずける」ことが必要なんです。

飛び込みは、まだ男子の板飛び込みと男女の高飛び込みが残っています。海外の強い選手の演技も楽しみだし、日本選手の活躍にも期待したいですね。(中川真依=北京、ロンドン五輪飛び込み代表)