混合ダブルス決勝で水谷隼(32=木下グループ)伊藤美誠(20=スターツ)組が、日本卓球界初の金メダルを獲得した。世界王者の許■(■は日ヘンに斤)(31)劉詩〓(雨カンムリに文の旧字体)(30)組(中国)にフルゲームの末、4-3で勝利。

対戦成績0勝4敗だった強敵に、大舞台で勝った。水谷は16年リオデジャネイロ五輪から含め金、銀、銅、全てのメダルを獲得した。伊藤も2大会連続のメダルとなった。

1988年に五輪の正式競技となった卓球で、前回までの金メダル総数32のうち、28を中国が獲得した。04年アテネ五輪の男子シングルスで逃して以降は全種目を独占。混合ダブルスで中国の世界王者ペアを破った水谷と伊藤は「王国」の1強に風穴をあけた形だ。

混合ダブルスは五輪では今大会からの新種目だが、世界選手権では長い歴史がある。日本は1957年ストックホルム大会で荻村伊智朗、江口冨士枝組が優勝してから日本勢が7連覇。その後は低迷をへて、2015年蘇州大会から吉村真晴(愛知ダイハツ)石川佳純(全農)組が銀、金、銀と3大会連続でメダルを獲得した。

混合ダブルスのビッグタイトルは世界選手権のみで、シングルス重視の強化の本流とは離れた存在だったが、17年に東京五輪での採用が決定して流れが変わった。国際大会で定期的に混合も実施され、各国が力を入れ始めている。