ホーム 東京オリンピック2020 テニス ニュース RSS せっかくの豪華施設も無観客では…五輪仕様のテニス会場で感じる切なさ [2021年8月1日8時0分] 東京五輪テニス会場の有明テニスの森公園(2021年7月21日撮影) <東京の風> 葛藤が続いている。7月20日に現場入りし、主戦場であるテニスの会場、有明テニスの森公園に足を運んだ。五輪仕様になって初めて足を踏み入れたが、その壮観さに圧倒された。83年開設以来、間違いなく最も豪華で立派な仕様に仕上がっていた。隅の10、11番コートにさえ、きちんとした観客席がつくられている。2番コートは収容3000人で全仮設。大会後はすべて取り壊されるが、できれば、このまま残してほしいと思う出来だった。しかし、無観客だ。絶対に満員にならない、歓声もない施設に戸惑った。わたしは、徹底して開催延期か無観客の立場である。理由は簡単。やる選手も、関わる関係者も、取材する報道陣も、多くの制約がある中、楽しくないからだ。しかし、立派な会場を見渡すと、満員の観客が入ったら、どれだけ選手たちは興奮しただろうかと感じた。無観客の決定が遅すぎて、立派な施設は、あまりにも無残な残骸として残る。報道に身を置くものとして、なぜ少しでも早く無観客を推せなかったのか。そうすれば、観客席をつくる必要もなく、立派な観客席を眺め、切なくなることもなかったのにと残念でならない。