男子の日本(世界ランキング11位)が、1992年バルセロナ五輪以来29年ぶりとなる準々決勝進出を決めた。

1次リーグ最終戦で、イラン(同12位)に3-2で競り勝ち、3勝2敗でA組3位とした。主将の石川祐希(25=ミラノ)とともに2枚看板を担う西田有志(21=ジェイテクト)が30得点の活躍で、アジアでしのぎを削るライバルを退けた。

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2時間37分に及ぶ熱戦を制し、日本が準々決勝進出を決めた。負ければ1次リーグ敗退というイランとの最終戦は、組み合わせが決まった時から「重要な一戦になる」(石川)と意識していた。貴重な白星を手にし、中垣内監督は「本当に選手たちが頑張ってくれた。クリアできたのは、選手の集中力と勝ちたい気持ちの結果だった」と賛辞がやまなかった。

1セットずつ奪った第3セットはジュースにもつれた末に奪われたが、日本はあきらめなかった。強化してきたサーブで主導権を握り、第4セットを取り切った。最終セットも、サーブが光った。石川の2連続サービスエースで序盤からリードを広げ、最後は西田のスパイクで試合を決めた。

初戦のベネズエラ、第2戦のカナダに連勝と勢いに乗ったが、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルのイタリア、優勝候補のポーランドに連敗。大一番のイラン戦を前に好材料となったのは、石川とともに2枚看板を担う西田の復調だった。

5月の紅白戦で右足首を捻挫。実戦復帰したが、今度は左太ももの肉離れを負った。大会まで時間がない中でも、21歳は休まず練習を続けた。迎えた最終戦でチーム最多の30得点を挙げ、29年ぶりの準々決勝進出に貢献した。

1次リーグ突破という最低限の目標はクリアしたが、石川は「準々決勝もしっかり勝ちきって、次につなげたい」。今の日本は8強入りで満足することはない。