女子レスリング68キロ級で16年リオデジャネイロ五輪金メダルの土性沙羅(26=東新住建)は2大会連続のメダルを獲得できなかった。3位決定戦で18年世界選手権覇者のチェルカソワ(ウクライナ)にフォール負けした。

前日2日、1回戦で世界女王のストックメンサ(米国)にテクニカルフォール負けした。完敗で2分ほどで2連覇の夢が散る。打ちひしがれる中、1つの電話が力になった。16年リオ五輪金メダルの登坂絵莉。同じ所属の先輩は「最後だから、後悔がないように全力で」と背中を押してくれた。この日の敗者復活戦で中国選手を破ると「金メダル目指してやってきまして、負けてしまいましたが、こうして(メダルの)チャンスが出てきたので絶対に自分のものにしたい」と決意を語っていた。

リオで頂点に立った最大の武器、思い切りの良い正面タックルは放てない。18年4月に手術した肩の回復具合などを考えると、スタイルを変えざるを得なかった。この1年でも、がぶりや横からのタックル、カウンターなど、多彩な技を身に付け、2度目の五輪に備えていたが、メダルには届かなかった。