<国際親善試合:日本2-1ニュージーランド>◇6日◇豊田ス

 ハリルホジッチ監督の選手起用の意図が分からない。W杯出場の重圧から解放された直後の親善試合。若手を試す絶好のチャンスを有効に使えなかった。指揮官は、この2試合で全選手を試すと明言していたが、スタメンにはGK川島、DF吉田、長友、MF香川、FW大迫らW杯予選の中心メンバーが並んだ。この時期に彼らをテストする意味があったのだろうか。

 次のハイチ戦で、DF植田や車屋、GK中村らに出番が与えられるかもしれない。しかし、来年のW杯に向け、この時期に若手を試合に慣れさせるなら、2試合ともスタメン出場させた方が良かった。その方が代表の空気にも慣れやすい。厳しく、生き残った選手がW杯出場切符を勝ち取る-。そんな指揮官の姿勢は一見、格好良く思えるかもしれない。だが、若手に1試合だけ与えて結果を求めるのは、あまりにも酷だ。

 6~7月のコンフェデレーションズ杯で、ドイツは平均年齢24歳で優勝した。フランスも現在、世代交代が順調に進んでいる。レギュラーにベテランが多い日本にとって、世代交代を考えるべき時期なのに、意味なく1試合を消化してしまった。(日刊スポーツ評論家)