サッカー高校選手権準々決勝4試合が5日に行われ、国立競技場で行われる準決勝進出4校が決まる。

 初出場の山梨学院大付(山梨)は4日、5日のルーテル学院戦(熊本)に向けて、埼玉県内のグラウンドで約1時間の調整を行った。横森監督は、4強入りをかけた一戦に向け「ミランが1点取ってくれれば。強引で力ずくのところもあるけど、ゴールに向かう姿勢がいい」と、187センチの長身FW加部未蘭(みらん=2年)をキーマンに挙げた。

 加部が生まれた92年に、ACミランが、ライカールトらオランダ勢の活躍でセリエAを制覇。スポーツライターの父究さんに「ミラン」と、オランダを表す「蘭」をもじって「未蘭」と名付けられたという。U-18(18歳以下)日本代表候補にも入り、県予選ではスタメンだった。だが右足甲を痛め、今大会は「スーパーサブ」として後半から起用されている。

 加部は「まだ痛い」というが「点を取ってチームに貢献したい」と気合十分だ。呼び名は「ミラン」の他に、その風ぼうから「(お笑い芸人の小島)よしお」。チームメートは「終わった芸人ですけど…」と冷たいが、そんな雑音も右足甲の痛みも「そんなの関係ねぇ ! 」とばかりに、加部が選手権初ゴールを挙げれば、県勢では83年度の韮崎以来となる4強入りが近づく。【今井恵太】