<高校サッカー:富山第一3-2星稜>◇決勝◇13日◇国立

 富山第一が劇的な優勝を飾った。0-2と敗色濃厚の後半42分、MF村井和樹(3年)の左からのクロスを受けたFW高浪奨(3年)が、流し込み1点差に詰め寄ると、後半ロスタイムにDF竹沢昴樹(たかき・3年)が倒されて得たPKを、MF大塚翔主将(3年)が決めて同点に追い付く。

 延長を前にしてはスタジアムから「富山」コールが起こるなど、流れは完全に富山第一。試合終了まで残り1分となった延長後半9分にDF城山典(つかさ・3年)のロングスローが流れたところを、1点目をアシストしたMF村井がたたき込んでドラマチックな逆転勝ちを決めた。大塚一朗監督(49)は場内インタビューで、涙ながらに「地元の皆さんの支援があってここまで来られた。富山の皆さん、やりました!」と言うと、富山第一応援団からは大歓声が上がった。延長後半ロスタイムに次男・大塚翔をベンチに下げると、固く抱き合い、試合終了を待った。

 決勝点を挙げた村井は「蹴った瞬間、決まったと思った。交代でピッチに出る時、監督からは『点を取れ』と言われただけ。絶対に決めてやると思ってました」と振り返った。富山勢としても初優勝となった。