ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の“怖さ”を日本も味わった。10日ブラジル戦の開始早々に初めて体験。DF吉田のファウルがVARで認定され、3失点崩壊につながるPKを献上。後半は、DF酒井宏と競ったFWネイマールに警告が出た。

<教えて「VAR」>  

 【Q】なぜ導入しようとしているの?

 【A】86年W杯のマラドーナ(アルゼンチン)の「神の手ゴール」や10年W杯欧州予選プレーオフのアンリ(フランス)の「左手アシスト」など、結果を左右する誤審をなくすため。

 【Q】適用されるのは?

 【A】オフサイドを含めたゴールの成否、警告等の人違い、一発退場、PK、で明らかな誤審があればVAR班から主審へ伝えられる。ピッチ脇のモニターで確認後、主審に最終決定権がある。

 【Q】初の事例は?

 【A】昨年のクラブW杯準決勝、鹿島-ナシオナル・メデジン戦。鹿島DF西の被ファウルが映像で認められ、先制PKを獲得した。

 【Q】要求できるの?

 【A】選手やベンチからの要望は許されず、反対に警告を受ける可能性もある。

 【Q】Jリーグでは?

 【A】来年から試験が始まるが、技術的テストだけで運用はしない。導入すれば年間コストが約1億円かかる見込み。負担増、VARを扱う技術者育成が課題になっている。