サッカー元日本代表監督で、2度のワールドカップ(W杯)にチームを導いた岡田武史氏(61)が10日、東京都内で行われたイベント後に取材に応じ、日本代表新監督の電撃交代について言及した。

 元日本協会の副会長も務めた岡田氏は「これは最後の最後で決断したのだと思う。会長の判断を尊重したい。(開幕まで2カ月と短く)リスクがあるのは分かっているけど、代えるのはそれなりの理由がある」と慮った。

 その上で西野朗新監督について「Jリーグで結果を残してこられた方だし、もともと選手とのコミュニケーションのうまい方。代表チームを知っているという意味でもベストな選択。勝つためにベストを尽くしてくれる監督だと信じている。死にものぐるいになってやってくれるでしょう」。自身に次ぐ2人目のW杯本大会日本人監督に期待した。

 また、前日の会見ではハリルホジッチ氏の解任理由について、コミュニケーションの不足が挙げられた。岡田氏自身、日本代表、Jリーグだけでなく、中国リーグでも指揮を執った。そんな経験も踏まえ「たとえばザッケローニ監督はイタリア人だけどコミュニケーションは取れていた。人としてやり方はそれぞれ違う」と見解を述べた。

 岡田氏は日本協会S級コーチライセンスを返上し、監督業から引退した。

 「J1、J2、海外でもやってきて、W杯にも2回出させてもらった。(今後は)経営とか新しい挑戦の方がワクワクする。(S級ライセンスを)持っていたら(監督を)やってしまいそうだから、未練が出そうなので返しました」

 今後は日本サッカーリーグ(JFL)に所属するFC今治のオーナー業に、より一層、専念する決意を語った。