サッカー日本代表監督を解任されたバヒド・ハリルホジッチ氏(65)が27日、都内の日本記者クラブで会見した。電撃解任直後には「これはウソだ、でっち上げだ、陰謀だ」と怒りの宣戦布告。日本協会と対決姿勢を打ち出していたが、時間がたち、会見ではコミュニケーション不足という田嶋幸三会長(60)の解任理由には納得できないと主張しながらも「私は日本の永遠のサポーターです」と話すなど、冷静さを取り戻しつつあるようだった。
監督でなくなってもハリルホジッチ氏の会見はやっぱり長かった。予定の1時間を軽く超え、1時間半のロングラン。「まだまだまだまだ多くのことを語りたかったが、時間オーバーですと言われてしまった」。途中で2度も司会者から長話を制されたが、話し足りないようだった。
序盤は一方的に在任時の自身の仕事ぶりをアピール。その後は怒るだけではなく、日本への愛も語り、最後は拍手で見送られ、頭を下げた。胸には熊本地震の被災地訪問からずっと寄り添うシンボルのくまモンのバッジが輝いていた。
解任に激怒し、宣戦布告していただけに拍子抜け。最後に65歳のいい人ぶりがのぞく“デュエル不発”の93分だった。もちろん解任には納得していない。田嶋会長が解任理由としたコミュニケーション不足に「具体的に誰となのか、教えて欲しい」。何の前触れもなかったことに「会長から、前もって問題があるみたいだよと教えてほしかった。会長が解雇する権利は持っている。だから問題ではない。ただ、何か問題があったのなら監督に会長から聞いてほしかった」と恨み節だった。解任会見で日本協会の田嶋会長は、前体制を全面支援してきたと話したが、ハリルホジッチ氏はそう受け止めず、2人の溝の深さが浮き彫りになった。
前技術委員長として忠誠心を持ってサポートしたことで監督に指名された西野氏には「確かに、彼とのコミュニケーションは少なかったかもしれない。あまり多くを語らない人でした」とチクリ。コミュニケーション不足での交代。よく話す当事者は新監督のコミュニケーションを心配した。
隠し事ができないのもこれまで通り。重用した槙野から届いたという惜別メッセージを読み上げた。初期に起用した丹羽が「広島から飛行機で訪ねてくれた」と暴露。選手15人近くから惜別メッセージが来たと喜ぶ一方で「不満を漏らしている選手は2人」と解任の引き金を引いた選手に心当たりもあるようだった。
ただ、日本への忠誠心なら誰にも負けていない。ワールドカップで日本を応援するかと問われると「私は日本の永遠のサポーターです。日本、ずっとこれからもガンバッテください。これは心からの言葉です」と即答。この言葉にうそはない。“退任会見”でのハリル流エールだった。【八反誠】

