女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランキング8位)が7日、米国での国際親善大会「シービリーブス杯」を終えて帰国した。同杯第3戦では、6月のワールドカップ(W杯)1次リーグ同組のイングランド(同4位)に0-3で敗れるなど、1勝1分け1敗で3位に終わったが、高倉麻子監督(50)は若手主体の編成で米国(同1位)と引き分けるなど、強豪と互角に渡り合った点を高く評価。2大会ぶりの世界女王奪還を目指すW杯へむけ「優勝は狙えると思います」と力強く宣言した。

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シービリーブス杯では強豪相手に善戦したとはいえ出場4カ国中3位。タイトルに王手をかけて臨んだW杯前哨戦のイングランド戦に0-3で完敗しても、高倉監督に言わせてみれば1歩前進。W杯優勝に近づいた大会という理解だ。

以前、FIFAランキング上位の強豪に敗れた試合について尋ねた時も、指揮官は悲観する様子もなく「失点してると言っても『そういう風になったら、そう(失点に)なるよね』みたいなものだから」と言っていた。いつもそうなるわけではない。今、目の前にある勝負にどう勝つか。ここ一番でのギアの上げ方を心得ているような言い方だった。

就任後に戦ったアジア杯やアジア大会といった公式大会では、前評判を覆し、どちらも頂点に立った。特に決勝はアジア杯でFW横山、アジア大会でFW菅沢と、ともに途中出場の2人が決勝点を挙げた。ここぞの采配もズバリ当てている。14年U-17W杯コスタリカ大会優勝など世界舞台でも結果を残してきた。そんな指揮官がトップチームを率いて初めて臨むW杯。ハッキリと「優勝を狙える」と言い切ったその言葉を信じたい。【松尾幸之介】