1年2カ月ぶりの国際親善試合に臨む、東京五輪世代のU-24日本代表メンバー23人が19日に発表された。MF三笘薫(23=川崎F)、MF久保建英(19=ヘタフェ)ら、23人中5人が川崎フロンターレの下部組織出身。育成に力を入れるクラブの方針が、結果に表れ始めている。

アカデミー出身者で今回招集されたのは、三笘と久保のほか、DF板倉滉(24=フローニンゲン)、MF三好康児(23=アントワープ)、MF田中碧(22=川崎F)。

久保は小学3年生になった10年4月から、セレクションで合格した川崎F・U-10でプレー。チームメートは大半が4年生で、セレクションに合格した3年生は、久保を含めてたった3人だった。

4年生になった11年5月からは、飛び級でU-12でプレーした。

同年8月に、バルセロナ(スペイン)の下部組織入りした。

三笘と田中はU-10から高校年代までをアカデミーで過ごし、田中は高卒でトップチームに昇格、三笘は昇格を断り、筑波大に進学して、昨季、川崎Fに帰還した。

板倉と三好は、U-12から川崎Fアカデミーに加入してトップチームに昇格し、海外へと羽ばたいている。

川崎Fの強化や育成に関わるスタッフは、「(アカデミーの)目的はトップチームにどんどん選手を上げること」と口をそろえる。チームの強さを維持するためには、並行して育成することが必要だ、という考えが根底にある。

育成に力を注いできた結果、世代別代表に多数の選手を送り込むクラブへと成長した。

U-24日本代表は、26日に味の素スタジアムで、29日にはミクニワールドスタジアム北九州で、同アルゼンチン代表と対戦する。幼い頃からともにボールを追いかけてきた選手たちが、手を取り合って世界との戦いに挑む。【杉山理紗】