森保ジャパンの10番が大一番で決めた。W杯アジア最終予選サウジアラビア戦で、MF南野拓実(27=リバプール)が前半32分、MF伊東純也の右クロスから値千金の先制ゴール。
【W杯予選】伊東純也ゴラッソ「イナズマ純也」4戦連発 森保ジャパン首位サウジ破りW杯出場に王手>>
最終予選以降は沈黙していたエースナンバーを背負う男が、意地を見せた。
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10番の役目をまっとうした。今や攻撃のキーマンとなった「イナズマ純也」こと伊東がドリブルで右サイドを突き破る。配慮の効いたマイナス気味のグラウンダークロスが入る。FW大迫は相手をつるようにスルー。後は頼んだ、とばかりに森保ジャパン最多17得点の大黒柱からも任されたボール。焦らずフェイントでDFのマークを外し、左足を振った。前へ出たGKに当たりながらも、インゴールへ飛び込んだ。「攻撃の選手として出ている以上、ゴールで貢献したかった」。安堵(あんど)した表情で、伊東と抱き合った。
自分を信じた。左サイドを任されながらも、最も勝負できるのは中央。サウジアラビアにボールを握られる展開も想定し、速い攻撃もカギになると読んでいた。伊東がボールを持つと、一気に中央へと加速。シュートはGKの足に当たったものの、そのままネットへと吸い込まれた。「どんな形でもゴールはゴール」。技術と冷静な判断で誰もが望んだ先制点を挙げた。
2次予選では7試合連続得点と爆発的なパフォーマンスを披露した。名字にかけて「ミナミの帝王」と称された。しかし最終予選でここまで得点はなく、存在感は薄れた。気負いはなくとも期する思いはあった。これで大迫に並ぶ森保ジャパン17得点。頼りになる10番を改めて印象づけた。
ピッチを後にすると、すぐに引き締まった表情に戻った。「何が何でも勝ちたかった試合」という大一番を自らのゴールでものにしたが、チームが掲げる目的地はまだ先にある。「まだ何も決まっていない。オーストラリア、その次も勝って(W杯を)決めたい」。鮮烈な伊東の右サイドに加えて左の帝王が再びゴールの量産態勢に入れば、7大会連続のW杯出場が一気に近づく。【岡崎悠利】

