【コロンバス(米オハイオ州)9日(日本時間10日)=佐藤成】日本(FIFAランキング17位)が、約9カ月後に迫る26年W杯北中米大会へ厳しい現実を突きつけられた。開催地に乗り込んでの米国(同15位)戦で0-2完敗。6日(同7日)メキシコ戦から全11人を総替えで挑み、個とチームの両面で差を見せつけられた。本大会を想定し、移動や時差も含めたホスト国と米国遠征2連戦は、無得点の1分け1敗。中でも第1戦に出場したコア(核)メンバーと第2戦のサブ組との実力格差が浮き彫りになった。2、3チーム分の選手層が必要とされる世界一への道のりは、遠い。
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森保監督は、まず頭を下げた。「本当に申し訳ないなと思います。すみません」。完敗の悔しさ、監督の責任についても「非常に重いものがある」と声が震える。「代表全体の底上げはできていると思うけど、今日のように世界レベルの国と対戦した時、本当に2、3チーム分の戦いができるのか。その答えが出たのかなと思っている」と選手層の薄さを、率直に認めた。
あらゆる現在地を確かめる2連戦だった。スコアレスで引き分けたものの、内容は手応え十分だった「コア組」のメキシコ戦から、先発11人を入れ替えた。序盤こそ押し込んだが、前半30分にDF望月が右サイドであっさりかわされクロスを許すと、中ではDF長友が寄せ切れない。難なく仕留められた。「失点してから相手に余裕が出て難しくなった」とMF鈴木唯が言うように、はがされるプレス、重なるミス、消極的な組み立て、が顕著に。ショートカウンターを幾度となく浴び、後手後手だった。
総取っ替えについて指揮官は「一部のコア選手だけのレベルアップの場ではなく、チームを幅広く底上げして、最終的にW杯で最強・最高のチームをつくるため」。そう説明するまでもない命題だった。22年W杯カタール大会の1次リーグ第2戦でコスタリカ戦に0-1。層を厚くしてきたはずだったが、アジアの成果は幻想だった。世界では結実せず。大幅変更や3バックから4バックへの陣形変更に関しても「選手たちに非常に難しい戦いをさせてしまった。敗戦の責任は私にある」と自らを断じた。
5度目のW杯出場を目指す長友の言葉も重く響く。「Jリーグとは強度もスピード感も全然、違った。本当の意味で意識しないと取り残されてしまうな、という危機感を非常に持った」
国際Aマッチ144試合目のレジェンド、ゲーム主将から戒めの言葉が続く。
「正直、W杯優勝を目標にしている以上(コアの)11人だけでは勝てない。全員が同じレベル、それ以上の力を出せないと話にならない。戦術どうこうではない。個で勝っていかないと優勝なんて正直できない」
過密日程、移動、時差、経験値の浅さ、システム変更-。探せばいくらでもある、言い訳は。負傷禍にも備えれば、やはり30人を超える選手の地力を、世界基準に引き上げなければならない。それが無理ならば、FIFAランク(17位)通りの16強あたりでまた、本大会から去ることになる。

