関塚ジャパンが、逆風の中で船出する。日本サッカー協会は22日、アジア大会(11月12~27日、中国・広州)に臨むU-21(21歳以下)日本代表メンバーを発表。Jリーグ終盤戦に重なることからJ1レギュラー勢の招集はなく、ベストには遠い顔ぶれとなった。12年ロンドン五輪を目指す同代表の監督として元川崎F監督の関塚隆氏(49)の就任が正式発表されたが、いきなり厳しい戦いを強いられることになった。

 口を真一文字に結んだ関塚監督が、苦難のスタートとなった。この日発表されたアジア大会メンバーは、永井ら大学生が20人中7人を占めた。J1のレギュラーは1人もいなかった。Jリーグ創設以降は大学生は多くて3人。異例の選手選考に原強化担当技術委員長は監督に謝ったという。会見でも「選びたい選手を全部選べたわけではない」と監督の気持ちを代弁した。

 予想はされていた。サッカー競技は11月7日に開幕し、決勝は25日。勝ち上がれば、リーグ終盤戦5試合に影響を及ぼす可能性がある。U-20W杯の予選を兼ねるU-19アジア選手権(10月3日開幕、中国)にも選手を派遣しているだけに「クラブ側に無理がいえなかった」と原委員長は話した。

 アジア大会は五輪やW杯のステップにするため、98年大会からU-21で臨んでいる。現在A代表で活躍しているMF本田(CSKAモスクワ)、MF松井(トム)ら主力選手の多くが活躍してきた登竜門の大会。これまではクラブ側の協力もあり、理想に近いメンバーで戦えてきた。関塚監督は「アジア大会をアジア予選の足がかりになるように」と過去の五輪監督と同じような発言をしたが、本番で大幅に変わる可能性が高いメンバーでは意味がない。

 来年6月にはロンドン五輪予選が始まる。だが、それまでに思い描く「ベストメンバー」が組めるかも分からない。「リーグや大学も活動しているので、単発的ではあるが集めていきたい」と関塚監督。合宿など思うように組むことが出来ない強化への苦肉の策だが、チームの結束力が懸念される。

 アジアの五輪出場枠は3・5。4・5枠のW杯以上に狭き門だ。日本は96年から4大会連続出場を果たしてきたが、関塚ジャパンがいきなり危機的状況でスタートすることになった。【鎌田直秀】