【メルボルン(オーストラリア)19日】日本代表ハビエル・アギーレ監督(56)は星勘定をせず、全勝で頂点を目指す!

 ヨルダン戦は引き分けでも決勝トーナメント進出は決まるが、引き分け狙いはせず先発も変更しない予定だ。八百長疑惑への質問が飛んだイラク戦の前日会見とは一転して、この日の会見ではチーム状態の良さから声を上げて笑った。公式練習では冒頭15分だけを公開し、チームは自信と活気にあふれる姿を披露した。

 八百長疑惑に揺れるアギーレ監督が、前日会見で高笑いを見せた。中国メディアから、18日の練習前の円陣が約8分だった理由を聞かれた時に「too

 long(そんなに長かった)?

 ハハハ。ストップウオッチを使っているわけじゃないから。8分の時も38分の時も1分の時もある」。この日の練習前の円陣では、約15秒で訓示を終えた。「気候はいいから言い訳はできない。短時間なので集中しよう」とだけ伝え、練習をスタートさせた。

 守備陣が安定して2試合連続完封。常にDFには「無失点でいこう」と言い続けた成果が出ている。イラク戦も1-0ながら危なげない横綱相撲を見せた。攻撃陣は1点どまりだったが、ポストやバーに嫌われたものもあり、試合を通じてチャンスは作り続けた。今野はけがで別メニュー調整だが、それでもチーム状態には自信を持つ。八百長騒動はどこ吹く風とばかりに、自然と笑みがこぼれた。

 引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。一方のヨルダンは、勝たなければ1次リーグ突破を確実にできない。それでも指揮官は「勝ちに行く。引き分け狙いはしない。足し算、引き算など余分な計算はしない。敬意を払いながら勝ちにいきたい。いいピッチコンディションだし、スペクタクルな試合を見せたい」と気持ちを引き締めた。

 イラク戦同様、ラフプレーを多く受けることが予想されるが「レフェリーがゲームをコントロールしてくれる。激しいプレーから逃げることはしない。判断を尊重してお任せしたい」と、そこは闘将らしく言い切った。本田がアジア連盟(AFC)から受けた5000ドル(約60万円)の罰金については「ミランでプレーしている有名な選手だからではない。ルールにのっとっての措置だ」と強調。スタッフを通じて、審判への抗議は行わないことをあらためて徹底したという。

 試合会場のレクタンギュラースタジアムから道を1本挟んだ隣では、テニスの全豪が行われており、同じ20日には錦織圭が登場する。ともに頂点を目指し、日本中の期待を背負う者同士。ここは錦織に負けじと、勝利で勢いをつける。【高橋悟史】<アギーレ会見VTR>

 ◆1月11日

 パレスチナ戦の前日会見で、残り5分となると質問は八百長疑惑に集中。それでも眉ひとつ動かさず「3週間前に会見を開いている。この場でお答えしません」。たたみかける海外メディアに一瞬、いらだちを見せた。

 ◆同15日

 イラク戦前日会見は、八百長疑惑で裁判所が告発状を受理したと報じられた中で行われた。最初から告発受理の質問が飛ぶと「選手とはサッカーの話しかしません」と機先を制した。それでも食い下がるメディアに「サッカーの話しかしません」と一切、受け付けず、最後まで笑顔はなかった。