鳴門(徳島)が秋田商に競り勝って初戦を突破した。指導者不在の苦難を乗り越え、大きな1勝をつかんだ。

 3月に香留(かとめ)和雄元監督が定年退職した。夏場には後任監督が体調不良でチームを離れ、指導者不在に。7月は選手だけで活動していたという。

 このピンチに3月までトレーナーを務めていた徳島・阿南市のかずもり接骨院の院長、計盛(かずもり)健一氏(42)が8月からコーチとしてチームに戻って指揮を執り、全国切符をつかみ初戦も突破した。

 計盛コーチは徳島商OB。当時徳島商を率いていたのは香留氏だった。香留氏は、徳島商を全国4強に導き元日本代表FW黒部光昭(現J3富山強化部長)も育てた県内の名将。体調が優れないというが、この日もベンチ入りし勝利を味わった。

 計盛コーチは「香留先生のファミリー、香留一家でサッカーしていますから」と選手と恩師とともに勝ち取った1勝を喜んだ。