ジェフユナイテッド千葉のアルゼンチン人FWラリベイ(32)が、カマタマーレ讃岐戦でリーグ戦3戦連発、しかも来日初のハットトリックの大爆発でチームを今季初のリーグ戦3連勝に導いた。

 まずは前半13分、元日本代表で今季初スタメンのMF羽生直剛(37)のシュートをGKが弾いたこぼれ球を、右足でダイレクトにたたき込み先制。2-3と逆転された後半35分にPKを獲得すると、落ち着いて右足で決めて同点。3分後の同38分には、DF乾貴哉の浮き球パスをMFサリナスが折り返し、頭で押し込んだ。

 ハットトリックを達成した次の瞬間、ラリベイは飛行機ポーズでチームメートの元に駆け寄って抱き合うと、スタンドに投げキスした。試合後「ハットトリックはイタリアでは2度、UAEでも決めたことがある。アルゼンチンの家族も見てくれたし、奥さんもいました。本当に幸せな気持ちです」と満面の笑みを浮かべた。

 一方で「自分にとって前半戦は難しい時期となった。改善しなければいけないことは、もちろん、個人的にはたくさんある」と手綱を引き締めた。今季、UAEのバニーヤースから完全移籍で加入した。07年から2度のレンタル移籍を挟み12年までセリエAのカリアリに在籍し、セリエA通算97試合出場12得点。13-14年にはスペインリーグのラージョ・バジェカーノ、14-15年にはセルタに所属し、2クラブ通算で70試合出場23得点と豊富な欧州での経験を期待されたが、日本サッカーへの順応に苦しみリーグ前半戦は不発が続いた。

 それが6月25日のFC岐阜戦でゴールを決めると、1日の大分トリニータ戦では2発決め、讃岐戦でも3発と3戦6発の大爆発。ようやく日本のサッカーに適応し始めた。同国人のファン・エスナイデル監督は「順応する時間が必要だった。(日本のサッカーは)彼がやってきたサッカーと違いがあった。順応できてきたし、今のバージョンのラリベイこそ我々に必要な選手。あの状態をキープするのが、チームにとっても大事」とたたえた。

 母国の名FWガブリエル・バティストゥータ氏に似ていることから「エル・バティ」と呼ばれたこともあるラリベイは「後半戦、こういう形で始まれたことはいいこと」と後半戦の爆発を誓った。【村上幸将】