アルビレックス新潟が高知キャンプ最終日の練習試合を勝利で締めくくった。愛媛FCを1-0で破った。後半25分、MF小川佳純(33)が、このキャンプの自身3得点目になるゴールを決めた。新潟は高知での練習試合は6戦5勝1分けと負けなし。試合前に新主将に就任したMF磯村亮太(26)は90分間フル出場した。今後、新潟は13日から24日まで静岡・御前崎で2次キャンプを行い、開幕の讃岐戦(25日)に向かう。

 小川が技ありのゴールで高知キャンプを締めくくった。後半25分、左サイドを突破したDF堀米悠斗(23)がクロス。ゴール正面に走り込んだ小川に、愛媛DF池田樹雷人(21)がブロックに行く。小川はその勢いをそぐように、左足のヒールでボールをゴールマウスに流し込む。

 練習試合初戦の高知大戦(1月30日)で、今季対外試合チーム初得点を挙げたのが小川。そして自身の3得点目が高知キャンプ最後のゴールになった。狙い通りだった。「ゴメス(堀米)が僕の動きだしを見て、早いクロスを入れてくれた」。新潟は前半、攻め込みながらなかなかシュートが打てなかった。ハーフタイムで小川を中心に話し合った。

 「もっとサイドから多くクロスを入れよう」。前半は右サイドバックのDF安田理大(30)がFW矢野貴章(33)にクロスを入れる形からチャンスになりかけた。それを増やせば得点につながる。小川の勝負勘はさえていた。

 個人的な結果よりも手応えを感じたのは「みんなの意思疎通で生まれたゴール」だったこと。試合中に選手が考え修正した。「コミュニケーションを取って、必要なプレーができた」。J2で今季対戦することになる愛媛を相手にしての勝利。小川は決勝点にチームワークを実感した。

 昨季途中に鳥栖から期限付き移籍し、今季は完全移籍。新潟の一員として初のキャンプを順調に消化している。「体調はいい。もっと良くしたい」。頼れるベテランが、開幕の讃岐戦に向けて調整の精度を上げていく。【斎藤慎一郎】