Jリーグが初めて主催したゲーム機器で対戦するeスポーツの大会「明治安田生命eJリーグ」決勝ラウンドが4日、都内で開かれた。

 米エレクトロニック・アーツのサッカーゲーム「FIFA18」で競う大会で、実際のJ1チームから推薦を受けた参加者ら15人は、チームはJ1クラブになるものの、編成する選手は現役、過去を問わずに世界から選べる。

 試合は6分ハーフで行われ、決勝はセレッソ大阪、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレを破って勝ち上がった浦和レッズのプレーヤーネーム「かーる」(26)と、ジュビロ磐田、柏レイソル、横浜F・マリノスを倒して勝ち上がったサガン鳥栖の「アヤックス・ボブ」(19)が対戦した。

 アヤックス・ボブは実際にアヤックスのユースでGKをしているという海外からの参戦だったが、結果は2-0で浦和のかーるが優勝した。これにより、FIFAが主催する8月のeW杯の出場権を懸けた世界予選(5月、オランダ・アムステルダム)に出場することが決まった。プロのゲーミングチームに所属しているという埼玉県出身のかーるは「埼玉県民、浦和レッズを代表して戦えてうれしく思います」と話した。

 「eスポーツはスポーツなのか」という論争がつきまとう中で、かーるは「あまり深く考えたことはないですが、自分はゲームはゲームだと割り切っているので、スポーツだとはあまり思わない」と言うものの「強い選手が相手だと、1試合終わっただけでヘトヘトになる」と疲労感も打ち明けた。

 初めて主催したJリーグの村井満チェアマンは「インターネットを通じて数多くの方に視聴していただいた。サッカーの臨場感や迫力を見ることができて、こういう機会を通じて、実際にリアルのサッカーに関心を持ってくださる方が増えたらいい」と話した。

 サッカーゲームでは、現実の世界では年齢の問題や、男女一緒にプレーすることの壁などを乗り越えられるほか、往年のレジェンドのプレーが見られる楽しさもある。「実際にリアルのサッカーでは成し得ないことがいっぱいあるので、こうしたことを通じて、サッカーの楽しみを多くの人に触れてもらいたい。サッカーの面白さを多くの人に知っていただくだけで、十分価値がある」と話した。