レノファ山口FCの霜田正浩監督(51)は、後半ロスタイム4分のDF前貴之(24)の同点ヘッドで引き分けたジェフユナイテッド千葉戦後の会見で、後半のロスタイムが6分あることを予測し、その最後に仕掛ける狙いが当たったと語った。

 前節までの順位は2位と13位、勝ち点でも10差をつけていた千葉に、前半はシュート数こそ8対5と上回ったが「前半は、ちょっと腰が引けて、僕らの思いきりの良さ、プレッシャーの厳しさ、迫力が出せなかった」と語るように主導権を握られた。16分に右からのクロスボールを千葉FW指宿洋史(27)に押し込まれた。同32分にFWオナイウ阿道(22)が2戦ぶりとなる今季11点目のゴールを決めて追いつくも、同38分には再び右クロスを指宿に決められ勝ち越された。

 後半は前半以上に攻勢を強め、後半21分にはFW高木大輔に代えて岸田和人を投入し、前線を3枚から2枚に変えた。その意図について聞かれると「こちらが変えたら、向こうも変えてくると思った。変えて、すぐ劇的に良くなるとは思わなかった。うちらの時間になるまで我慢し、向こうがゆっくりプレーしてきてロスタイムが5、6分、あると思ったので最後の仕掛けのタイミングを計っていた」と、ロスタイムに勝負を仕掛けることまで視野に入れ、千葉に揺さぶりをかける意図があったことを明かした。

 その狙い通り、後半のロスタイム表示は6分。そして、同4分に前の劇的な一撃で計算通りに追いついた。霜田監督は「後半は、選手が勇気を持って前に出てプレーをしてくれた。ひっくり返すまではいかなかったが、最後まで戦う姿勢を前面に出したことは褒めて上げたい。勝ち点1を取りながら3を取れるチームを作りたい」と語った。

 その上で「アウェーですけれど、非常に多くのサポーターが背中を押してくれて、後半はサポーターに向けて攻めるというのが僕らの勇気になった」と、ロスタイム含めて大声援を送り続けたサポーターに感謝した。【村上幸将】