大きな“賭け”だった。鹿島アントラーズはチーム得点王のFW鈴木を控えに回し、MF小笠原や内田、西の両右サイドバックはメンバーにもいない。50日間で13試合の過密日程を見越した大胆な起用。これに選手が応えた。不運な失点を覆しての逆転勝ち。底上げに成功した。

 果敢に右サイドを駆け上がり、MFレオ・シルバの1点目をアシストし、MF遠藤の2点目の際は相手を引きつけたDF伊東は再開後、初先発。「メンバー外の時間が続いて、試合前は一緒に過ごした彼らの顔が浮かんだ。メンバー外代表じゃないが、力を見せたいと思った」。FW金森もその1人で「これでチーム力がアップする」と誇った。

 ジーコ・テクニカルディレクターの御前で連敗するわけにはいかなかった。鮮やかなカーブで今季初得点を挙げたレオ・シルバは「ジーコが運をもたらせてくれた。ずっといてくれればな」と満面の笑みだった。