初出場の浜松開誠館は長崎総合科学大付に敗れ、全国初勝利はならなかった。

前半は主導権を握った。相手のロングボールのこぼれ球を拾い、カウンターから好機をつくった。前半16分、MF前田大輝(3年)が、FW岡島温希(はるき、3年)のパスに反応。DFラインの裏に抜け出し、シュートを放ったがゴール左に外れた。前田は「決めていれば、結果は変わったかもしれない」と悔やんだ。

試合開始から安定した守備を見せたが、一瞬の隙を突かれた。後半23分、自陣左サイドからのクロスを頭で合わされ、決勝点を献上。終盤は攻撃の枚数を増やし、攻勢に出たが及ばなかった。

静岡県勢は4年連続で初戦敗退。青嶋文明監督(50)は「全ての責任は私にある」と唇をかんだ。自身は清水商(現清水桜が丘)2年時に全国選手権優勝を経験しているが、当時と比較して言った。「全体的にタレントのアベレージが下がり、優秀な選手が集まらなくなっている。結果を出して、魅力ある地域、チームを作らなければいけない」。

創部14年目で、全国初出場を果たした。主将のDF山田梨功(りく、3年)は「1、2年生は来年このピッチに戻って来て、結果を残してほしい」。全国初勝利の夢は、後輩たちに託された。