尚志(福島)が優勝候補の東福岡を2-0で撃破した。前半31分、MF坂下健将(3年)がこぼれ球を押し込み先制すると、後半も終始ボールを保持して相手を圧倒。MF高橋海大(3年)が貴重な追加点で粘る相手を突き放し、昨年初戦で完敗(0-3)した相手にリベンジを果した。

挑戦者意識を払拭(ふっしょく)し、立ち上がりから波状攻撃で優勝候補を圧倒した。前半31分、左サイドでU-17日本代表のFW染野唯月(3年)が仕掛けた。相手DFを振り切り、すかさずシュート。相手GKがはじいたボールにファーサイドにつめていた坂下が右足で押し込んで貴重な先制点を奪った。

仲村浩二監督(45)は「坂下があそこまでよく走って最後につめてくれた。チームにとって(J1神戸)イニエスタのような存在。ゲームメークだけでなくミドルもドリブルもある。チームのために献身的に動いてくれた」とたたえた。

放ったシュートは東福岡の6本の倍となる12本。立ち上がりから、2年越しに温めていた守備戦術で相手の良さを消しゴールに襲いかかった。後半35分には、MF高橋がこぼれ球を押し込み2点目。J1東京入りが内定している相手右サイドバックDF中村拓海(3年)の仕掛けを徹底マークし完全に抑え込んだ。

「いいサッカーをしている」と評価されながらも勝てず、何度も辛酸をなめた経験から「最後のPKも含めてトータルで勝つ」サッカーを掲げて挑んだ大会。仲村監督は「東福岡さんに勝ちたくて1年間やってきた。昨年は捨て身で戦ったが、相手をリスペクトしすぎた。今年は互角以上の気持ちで自分たちのサッカーで戦おうと伝えた。選手が試合ごとに成長してくれている」と手応えを口にした。【下田雄一】