3大会連続7度目出場の旭川実(北海道)は歴史的なPK戦の末、2回戦で敗れた。帝京長岡(新潟)に、2-2から突入したPK戦で16-17。大会史上最多となる19人目までもつれこんだが、あと1歩及ばなかった。12年度以来の16強入りはならず富居徹雄監督(46)は「悔しい、それだけです。力不足ですね」と淡々と振り返った。

相手が決めれば自分たちも決める。PK戦は5人目まで決着がつかないどころか、異例となる2周目に入った。のべ38人目のキッカー、後攻の旭川実MF藤本詠稀(3年)が右足のゴロシュートでゴール左を狙ったが相手GKに阻まれた。「決めてやろうという気持ちだった」。号泣して膝から崩れ落ち、立てなかった。仲間に肩を抱きかかえられてピッチ中央の整列に並んだ。

藤本は昨年からスタメンとして活躍し、ボランチとして攻守を支えた。DF西川知広主将(3年)は「あいつのおかげでここまで来ることができた」と感謝した。PK戦は藤本を中心に「楽しもう。楽しもう」の言葉が飛び交った。極端な緊張感はなく、19本のシュートはすべて枠内に飛んだ。

鬼門を突破できなかった。3大会連続でNACK5スタジアムで涙をのんだ。下級生のスタメンは2人だけで「来年はチームで戦うことをもっと徹底しないと4強、8強と上に行けない。頑張って欲しい」と西川主将。長い長いPK戦で味わった悔しさは、後輩が必ず晴らす。【西塚祐司】