東北Jクラブの19年1番星だ! モンテディオ山形が横浜FCを2-0で下し、今季初勝利を挙げた。エースFW阪野豊史(28)がいずれもセットプレーから、得意の頭で全2得点をマーク。5年連続となる1試合複数得点を挙げて、守っても起点となって初完封に貢献した。この勢いで次節10日のアウェー町田ゼルビア戦も勝利し、17日の大宮アルディージャとのホーム開幕戦につなげる。

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「キングカズ」ことFW三浦知良(52)が相手ベンチから見守る中、山形のキングがエースの真骨頂を発揮した。阪野は前半26分、左サイドのFKからMF三鬼海(25)の放ったアウトスイングのボールにヘッドで反応し、ゴール左隅に流し込んだ。直前に相手DFの頭に当たったボールが角度よく流れ、しっかり捉えた一撃。「相手のクリアボールが当たってラッキーでしたが、いい入り方でゴールに向かっていれば、ゴールにつながるということ。勢いを持ってゴールに向かうことができた」と、チームの今季初得点を振り返った。

そして後半18分、今度は狙い通りの一撃で突き放した。右サイド後方からの三鬼のFKに、フリーの状態から打点の高いヘッドで反応。スカウティング分析でDFラインの癖を研究し尽くして導いた、貴重な追加点だった。「あそこは狙っていたところ。ラインを下がるのが早い選手がいるのが分かっていたので。タイミングも練習通りだったし、イメージ通りのゴール」と冷たい雨の降る中、声援を送り続けたサポーター席に飛び込み、歓喜の抱擁を交わした。

15年のJ2栃木SC時代から毎年、いずれかで1試合複数得点を積み重ね続けている。17年にキャリアハイとなる13得点をマークしたが、昨年は9得点と2ケタ得点を逃しただけに、今季は15得点を目標に掲げてスタート。「序盤戦で点数積み重ねることは難しいので、しっかり得点を取れれば数字につながってくる。複数得点は全勝? 2点取ればだいたい勝つんじゃないですか」と笑わせた。幸先の良い2ゴールで、チームを勢いづかせた。【下田雄一】