鹿島アントラーズのMF永木亮太(30)が、強烈なキャプテンシーを見せつけた。

前半から両チームともにミスが続出。同36分には、MFレオ・シルバが自陣でのパスミスをヴィッセル神戸FW古橋にさらわれ、大ピンチを招いた場面があった。DF陣がブロックに入りシュートを打たせず事なきを得たが、永木はレオ・シルバに詰め寄り激怒。双方とも感情むき出しで言い合い、味方同士で一触即発の空気が漂った。

はたから見ればヒヤリとする一幕も、常勝軍団には必要なこと。試合後永木は「危ないミスの仕方だったので、やっぱり言っていかないといけない場面だと思ったので、あえて言いました」と説明した。

昨季まで主将を務めた小笠原が引退し、DF昌子がフランスに移籍。今季の鹿島にはピッチの中で引っ張れる選手が少ないことが憂慮されていたが、負傷離脱中の主将内田に代わりキャプテンマークを巻いた永木が、チームメートに闘魂を注入した。「もっとみんなで指摘しあっていいかなと思う。ピッチ内でそういうことができればミスも少なくなるし、責任感も増えてくると思う。言ったことで、その選手にいい意味でプレッシャーになると思うし、そういうことが言える選手がもっと出てきてもいいんじゃないか」。在籍4年目ながら鹿島の伝統を熟知する副将の、熱い気持ちが見えた一幕だった。